Webデザインの基本ルールを知ろう

Webデザインは、サイトを見やすく整えて、訪れた人が迷わず目的を達成できるようにする作業です。「綺麗にすること」だけが目標ではありません。商品を買ってもらったり、お問い合わせをしてもらったり、何かしらのゴールに向けて情報を整理していく仕事なんです。

グラフィックデザインとの違いは、Webならではの機能性が求められる点にあります。クリックのしやすさや、画面サイズに応じた表示の変化といった要素を考える必要があるんですね。

センスより大切なのはルール

「デザインってセンスがないと無理じゃない?」と思う人もいるかもしれません。でも実は、多くのWebサイトは決まったルールに従って作られています。

このルールさえ押さえれば、誰でも整ったデザインを生み出せるようになりますよ。

デザインの土台となる4大原則

Webデザインには、見やすい配置を決めるための「4大原則」があります。近接、整列、強弱、反復の4つです。これらを意識するだけで、デザイン全体がぐっと引き締まります。

近接:関連する情報はまとめる

人は近くに置かれたものを「関係がある」と認識します。

たとえば商品名と価格を近くに配置すれば、ひとまとまりの情報として理解されやすくなるんです。逆に、関係のない要素の間には余白を作りましょう。そうすることで、それぞれの独立性が強調されます。

もしデザインがごちゃごちゃしていると感じたら、この近接の原則を見直してみてください。要素を再配置して余白を設けるだけで、すっきり整理された印象に変わります。

整列:要素を揃えて統一感を出す

テキストやボタンを左揃えや右揃えにすると、ページ全体に一貫性が生まれます。見出しをすべて左揃えにすれば、視覚的なガイドラインができて、自然と左側に目がいくようになるんです。

上下の整列も大切です。段落間のスペースや画像とテキストの間の余白を均等にすれば、スクロールしながらでも情報を読み取りやすくなります。整列は、細かい部分まで気を配ることで統一感を演出できる原則なんです。

強弱:重要な情報を目立たせる

すべての要素が同じ大きさや色だと、どこに注目すればいいか分かりません。見出しを太字にしたり色を変えたりして、他のテキストより目立たせましょう。

そうすれば、ユーザーはページを素早く把握して、欲しい情報を効率的に見つけられます。

デザインが何となくぼんやりしていると感じたら、強弱の原則を意識してみてください。重要な要素に視覚的な強調を加えれば、メッセージが明確になります。

反復:同じスタイルを繰り返す

サイト内で共通するデザイン要素を繰り返し使うことで、全体に一貫性が生まれます。

各ページの見出しデザインを統一したり、リンクテキストの色を揃えたりすることで、ユーザーは「これは見出し」「これはクリックできるボタン」といったルールを無意識に学習できるんです。

色・余白・文字のルール

ここからは、より具体的なパーツの扱い方に関するルールを見ていきましょう。色、余白、文字の3つを押さえれば、素人っぽさから脱却できます。

色は70:25:5の黄金比で

配色には「70:25:5」という黄金比率が存在します。ベースカラー(背景や余白)が70%、メインカラー(ロゴや見出し)が25%、アクセントカラー(ボタンやリンク)が5%です。

この比率を守るだけで、バランスの取れた配色を実現できます。

カラー名 役割 使用比率
ベースカラー 背景や余白など、全体の基礎となる色 70%
メインカラー ブランドや主張したい内容を表す中心の色 25%
アクセントカラー ボタンやリンクなど、注目してほしい要素に使う色 5%

また、色は人の感情に強く影響します。赤はエネルギッシュ、青は誠実、緑は自然といった印象を与えるので、サイトの目的に合わせて選びましょう。

余白は情報を整理する「間」

余白は単なる「何もないスペース」ではありません。情報を整理し、視線を誘導するための意図的に作られた「間」なんです。関連する要素の間に適切な余白を設けることで、情報のまとまりが明確になります。

行間や文字間の余白を調整すれば、文章が読みやすくなります。広い余白は、ゆとりや上品さを感じさせる効果もあります。

情報を詰め込みすぎず、余白を活かすことが洗練された見た目につながるのです。

文字は読みやすさを最優先に

Webサイトの本文には、シンプルで読みやすいフォントを選びましょう。ゴシック体は画面上でも読みやすいため、本文テキストの標準になっています。明朝体は上品な印象を与えますが、画面の解像度によっては潰れて見えることがあるので注意が必要です。

本文の推奨フォントサイズは16px前後、行間は文字サイズの1.5~2倍が目安です。小さすぎる文字は読みづらく、離脱の原因にもなります。

また、使うフォントは2~3種類以内に絞りましょう。種類が多すぎると、まとまりのない印象を与えてしまいます。

Webサイトの基本パーツを知ろう

Webサイトを構成する各パーツの名称を知っておくと、学習効率が向上します。ヘッダー、ナビゲーション、フッターといった共通言語を理解すれば、チームでの作業もスムーズになりますよ。

主要なパーツ一覧

パーツ名 役割
ヘッダー サイトの最上部に表示され、ロゴやナビゲーションを含む
ナビゲーション ユーザーがサイト内を移動するための案内メニュー
メインビジュアル アクセスして最初に目に入る大きな画像や動画
コンテンツエリア サイトの主要な情報が表示される中心的なエリア
フッター サイトの最下部に表示され、著作権表記やリンクを含む

これらのパーツは、どのWebサイトにも共通して存在します。それぞれの役割を理解して、適切に配置していきましょう。

デザインを始める前の準備

いきなりデザイン作業に入るのはNGです。まずはリサーチして、よく考える工程が必要になります。遠回りに感じるかもしれませんが、事前準備をしっかりすることで作業が早く進み、求められるデザインに近づけます。

目的を明確にする

Webデザインは自分を表現するアートではなく、誰かの問題を解決する手段です。関わるWebサイトは何を目的として作られるのかを明確にしておきましょう。

商品を買ってもらう、認知度を上げる、見込み客を獲得する。目的がはっきりすれば、目指す雰囲気や強調したいメッセージが見えてきます。

競合サイトをチェックする

同じような商品やサービスを扱うサイトも見ておきましょう。書体、配色、背景画像でどんな見せ方をしているのか。複数のサイトを見ると共通点が浮かび上がり、それがデザインの参考になります。

他社にはない強みがあれば、それを強く打ち出して差別化する方針が生まれますね。

Webデザインの基本ルールを押さえれば、誰でも整ったデザインを作れるようになります。センスではなく、明確なルールの理解から始めてみてください。