デザインって何を学べばいいの?

デザインを学び始めようと思ったとき、「何から手をつければいいのかわからない」と感じる人は多いでしょう。専門学校に通わないとダメなのか、それとも独学でも大丈夫なのか、迷ってしまいますよね。

実は、今の時代は書籍や無料のウェブサイト、動画コンテンツが充実しているため、独学でもしっかりとした知識と技術を身につけることが可能です。

デザインには、グラフィックデザイン・ウェブデザイン・UIデザインなど、いくつかのジャンルがあります。

まずは自分がどの分野に興味があるのかを考えてみましょう。ポスターやチラシなどの印刷物に関心があるならグラフィックデザイン、ホームページやウェブサービスのデザインに興味があるならウェブデザイン、アプリの使いやすさを考えるのが好きならUIデザインといった具合です。

デザインの基礎は3つの要素で成り立っている

どのジャンルのデザインを選ぶにしても、共通して大切な基礎要素があります。それが「レイアウト」「色」「文字」の3つです。

要素 役割 学ぶべき内容
レイアウト 情報の配置と全体構成 整列・近接・反復・対比の4原則
デザインの印象を決める 色相・明度・彩度、配色の基本
文字 情報を直接伝える フォントの種類、カーニング、文字組み

この3つの基本を理解しておくと、「どうしてこのデザインは良いのか」という判断基準を自分の中に持てるようになります。デザインは見た目の華やかさだけでなく、目的に合わせて視覚的にアプローチすること。そのために基礎知識が土台となるのです。

実際に手を動かすことが一番の近道

デザインを学ぶ上で最も効果的なのは、実際に作品を作ってみること。書籍や動画で知識をインプットしたら、すぐに自分でデザインしてみましょう。最初はシンプルなフライヤーや名刺のデザインから始めるのがおすすめです。

また、気に入ったデザインを模写するのも効果的な練習方法です。余白の取り方、フォントのサイズ、色の使い方などを忠実に再現しようとすると、プロのデザイナーがどんな工夫をしているのかが見えてきます。

短時間でも毎日デザインに触れることで、徐々に自分のスキルが上がっていくことを実感できるはずです。

効率よく学ぶための3つのステップ

独学でデザインを身につけるには、やみくもに勉強するのではなく、段階を踏んで進めていくことが大切です。ここでは、初心者が効率よく学習を進めるための3つのステップを紹介します。

ステップ1:デザインツールの基本操作を覚える

デザインを形にするためには、ツールの使い方を知る必要があります。グラフィックデザインの分野では、Adobe IllustratorとPhotoshopが代表的なソフトウェアです。

Illustratorはロゴやイラストなどのベクター画像を作るのに適しており、Photoshopは写真の加工や補正に使われます。

初めて触る場合は、公式のチュートリアルやオンライン講座を活用しながら、基本的な機能を一つずつ試してみましょう。「実際に制作しながらツールを触る→わからないことを調べる→また制作してみる」というサイクルを繰り返すことで、自然と操作に慣れていきます。

ステップ2:デザインの法則を理解する

デザインはセンスや感覚だけでなく、理論に基づいて作られています。特に重要なのが「レイアウトの4原則」です。

  • 近接:関係のある情報は近くに配置する
  • 整列:見えない線を意識して一体感を作る
  • 反復:同じルールを繰り返して統一感を出す
  • 対比:情報に優先順位をつけて違いをはっきりさせる

この4つの原則を意識するだけで、デザインがぐっと見やすく、プロっぽい仕上がりになります。色についても、RGB(光の三原色)とCMYK(印刷の四原色)の違い、色相・明度・彩度といった基本を押さえておくと、配色を理論的に考えられるようになります。

ステップ3:参考作品をたくさん見る

デザインの引き出しを増やすには、良質な作品をたくさん見ることが欠かせません。気に入ったデザインを見つけたら、なぜそのデザインが良いと感じたのかを分析してみましょう。

色の使い方、文字の配置、余白の取り方など、細かい部分に注目することで、自分のデザインにも活かせるヒントが見つかります。

また、タイトルやヘッダー、メニューなど、パーツごとに保存しておくのもおすすめ。いざ自分で制作するときに、「こういうデザインにしたい」というイメージをすぐに形にできるようになります。

学習を続けるためのコツ

デザインの勉強は、継続することが何より大切です。最初は難しく感じることも多いかもしれませんが、毎日少しずつでも続けることで、確実にスキルは身についていきます。

おすすめの学習リソース

独学でデザインを学ぶ際に活用できるリソースはたくさんあります。書籍なら「なるほどデザイン」や「ノンデザイナーズ・デザインブック」が初心者にもわかりやすいと評判です。

これらの本は視覚的にデザインの基礎を解説しているので、読みながら楽しく学べるでしょう。

動画で学びたい場合は、YouTubeやUdemyなどの学習サイトがおすすめ。特にAdobeの公式チャンネルでは、IllustratorやPhotoshopの使い方を無料で学べます。また、ウェブ上には無料の素材サイトやデザインギャラリーも充実しているので、自分のペースで学習を進められる環境が整っています。

ポートフォリオを作って成長を可視化する

学習の成果を形に残すために、ポートフォリオを作成してみましょう。自分が作った作品をまとめておくことで、どれだけ成長したかが一目でわかります。SNSやデザインコミュニティで作品を公開すれば、他の人からフィードバックをもらうこともできるため、客観的な視点を得られるのもメリットです。

デザインは一度学んだら終わりではなく、常に新しいトレンドや技術が生まれる分野です。最新の情報をチェックしながら、自分のスキルをアップデートし続けることが、デザイナーとして成長するための鍵となります。

焦らず、自分のペースで楽しみながら学んでいきましょう。